ある日突然、フロントガラスにヒビを発見したといった経験はありませんか?
停車中であればまだ良いですが、もしも走行中に発生、発見した場合はパニックになる方も多いようです。今回はそんなフロントガラスのヒビとリペア、補修に関して解説します。
いま愛車のガラスにヒビを発見してどうすればよいか分からず悩んでいる方も、ぜひ参考にしてください。
まずはフロントガラスのヒビ割れの原因についてです。ヒビが入る原因はさまざまですが、主なものを見ていきましょう。
圧倒的に多いのが、飛び石キズによるヒビ割れです。走行中の前方車両が跳ね上げた小さな石がフロントガラスにぶつかることで起きることが多く、このタイプで悩ましいのは、走行中に発生することが多いこと、自分で気をつけていても防ぎづらいことの2点です。
走行中に突然「ピシッ!!」という亀裂音とともにフロントガラスにキズが入った場合は、、ほぼ飛び石だと思って間違いないです。よほど大きな石でない限りはすぐにガラス全体にヒビが広がることはありませんので、まずは落ち着いて走行し、安全な場所に車を停車してガラスの状態を確認するようにしましょう。くれぐれもパニックは禁物です。
ある日ガレージでフロントガラスのヒビを発見したという方に多いのが、いままで目に見えなかった線キズなどの小さなキズが拡大したことによるヒビ割れです。「昨日までなかったはずなのに、なぜ突然ヒビ割れが!?」と思いますし、イタズラの可能性も疑ってしまいますが、多くの場合は、もともと存在したキズが拡大したケースです。
特に真冬のような昼夜の寒暖差の大きな時期には、夜間の冷え込みによってガラスに応力がかかり、小さなキズがヒビ割れへと発展しやすくなります。その他、走行中の振動や洗車時にフロントガラスを吹き上げるといった外圧、積雪による重みによってヒビ割れへ発展するケースもあります。
最後に、真冬の時期に起きやすいヒビ割れの原因が、フロントガラスの凍結です。凍結自体でヒビ割れに至らない場合でも、凍結した氷を強引にゴリゴリと削り取ってしまったり、慌てて熱湯をかけて溶かしたりしてしまうことで、ヒビ割れにつながってしまうケースが多いようです。
フロントガラスが凍結した際は、デフロスターでじっくり凍結を溶かす、あるいは、解氷スプレーを使うなどフロントガラス自体に負荷をかけにくい方法で対処するようにしましょう。
ここまでフロントガラスのヒビ割れの主な原因を見てきました。
原因はさまざまですが、一度ヒビ割れしてしまったガラスは、リペア、補修で直すか、フロントガラス自体を交換するか、いずれかの処置を行う必要があります。
それでは、どのような場合はリペア、補修で直すことができるのか見ていきましょう。
結論から申し上げると、リペアや補修で直せるかどうかは、ヒビ(キズ)のサイズと位置に左右されます。
一般的には、100円玉以上の大きさまで広がったヒビは、リペアで直すことは困難とされています。強引に修理を行ったとしても、走行中の振動などで再びヒビ割れが発生、拡大する可能性が高く、100円玉サイズ以上の大きなキズはフロントガラスを交換する方が賢明です。
また、サイズと同じ概念でキズの深さも重要です。キズがガラスの深い部分まで到達している場合は、たとえ表面のキズのサイズが100円玉以下のサイズであっても、修理が困難な場合があります。
「100円玉よりは小さく見えるが、キズが深いかもしれない」といった場合は、まずはお近くの自動車ガラスの専門店やカーディーラーへ車両を持込み、プロの目で確認してもらうことをおすすめします。
サイズに続いて重要なのが、キズの位置です。たとえ小さなキズであっても、フロントガラスの周辺部に生じたキズはリペアや補修を出来ないケースがあります。目安としてはガラスの端から20cm以下の位置にあるキズが該当します。
正確には、一時的なリペア自体は可能なものの、すぐにヒビ割れが再発、拡大することが多く、専門店などでは修理を断られることもあります。フロントガラスの周辺部は、車のボディ(車体フレーム)からかかる力が大きく、リペアしたような傷跡は、その力に耐えきれずに再発につながってしまうため、専門店でもリペアを断る(ガラス交換をすすめる)ことが多いようです。
ヒビ割れのサイズと位置を見極めた上で、あるいは自動車ガラスの専門店やディーラーの方のアドバイスに従った上で、リペアや補修を行うことにした場合、続いてご紹介するリペア方法を参考にしてください。
フロントガラスをリペアする方法は、大きく2つ。自分で直すか、プロに頼むか、のいずれかです。
この場合、カー用品店やネット通販で購入できる市販のリペアキットを使用して自分で修理します。リペアキットは1,000〜2,000円ほどで販売されていますので、値段としては手頃です。
使い方も説明書に詳しく書いてありますので、手順自体はさほど難しいものではありません。
ただし、注意していただきたいのは「仕上がり」です。
詳細は割愛しますが、ガラスリペアの工程では、キズの中の汚れや小石の除去、真空状態の作り方、リペア後の表面の研磨などの各工程が、仕上がりを大きく左右します。不慣れな素人が行った場合、仕上がり後の見栄えが悪くなったり、補修具合が甘くヒビ割れが再発してしまったり、といったこともよくあります。
市販のリペアキットを使えば、だれでもプロと同様の仕上がりになる、ということはありませんので、くれぐれもご注意ください。
やはりおすすめしたいのはプロへ依頼する方法です。自動車ガラスの専門店であれば、数々のリペア実績があるとともに、プロ専用の機材やリペア剤を使って、手早く美しく仕上げてくれます。
お値段は10,000〜15,000円程度が相場であり、リペアキットを購入するよりは高くつきますが、リペア品質は格段に上がります。ヒビ割れの再発を抑えるためにも、安全で快適なドライブのためにも、プロへ依頼することをおすすめします。
フロントガラスのリペア可否と、リペアする場合の方法についてご紹介してきました。
大切なのは、「リペアできない。交換が必要」と専門店に言われた際の判断です。ここは素直にアドバイスに従ってフロントガラス自体を交換することをおすすめします。
くれぐれもやってはいけないのが、「小さなヒビだからしばらくこのままでいいか・・」といった判断です。遅かれ早かれヒビが大きな亀裂へと変化し、運転に支障をきたすレベルになってきます。
そのような運転視界を遮るほどの亀裂の拡大が、もしも高速道路の走行中など、すぐには停車出来ないような状況で起きた場合は非常に危険です。
自分や同乗者の安全を優先し、早め早めにフロントガラスを交換するようにしましょう。
今回はフロントガラスのヒビ割れと、リペア・補修について解説してきましたがいかがでしたか?
この記事で紹介してきたように、
・ヒビ割れが起きたら落ち着いて行動
・サイズと位置をしっかり見極める
・専門家のアドバイスに従う
・リペアは専門家へ依頼がおすすめ
といった点を念頭においておくとよいでしょう。
安全で快適なドライブのためにも、くれぐれも無理な運転や強引な判断はせず、この記事でご紹介してきた内容を参考にしていただけると幸いです。