ドライバーなら一度は遭遇するフロントガラスの傷。修理したいけどお店に出すと修理代が高そうだし、できるならDIYで安く直したいところですよね。
今回はフロントガラスのリペアは素人でもできるのか?また、DIYできる場合に用意するものや作業方法、おすすめのリペア方法まで解説していきます。DIYをご検討の方はぜひ参考にしてみてください。
まずは、「修理やリペアを素人でも実施可能なのか」という点について見ていきましょう。
フロントガラスのリペアキットが市販品として売られており、DIYでリペアすることが可能です。しかし、全ての状況で可能というわけではなく条件や制約もあるので注意が必要です。
市販されているリペアキットの取り扱い説明書にも記載されていますが、キズが大きすぎる場合、複数の傷が密集している場合、ガラス内部が複雑に破損している場合などはリペア不可となっています。DIYする前に傷のサイズや状態を把握しておきましょう。
一般的なリペアキットは補修液をガラスのヒビに浸透させて補修するというものです。こう聞くと簡単そうなイメージを抱くかもしれませんが、実際には見慣れない器具を使いながら数多くの工程をこなす必要があります。
各工程での作業精度や判断が出来栄えに直結するので、場合によっては逆に傷が目立つようになってしまった・・・ということもありえます。作業レベルの違いが最終的な仕上がり反映されるということは理解しておきましょう。
なお、YouTubeなどでリペア作業を解説した動画もありますので、自分でもできそうか事前確認しておくことをおすすめします。
リペア可能かどうかの判断基準について、くわしくは飛び石キズは直るのか?フロントガラスの交換が必要かどうか判断するポイントでも解説していますのでぜひご覧ください。
まずは費用の違いについてです。ディーラーや自動車ガラス専門店に依頼する場合、車種や傷の程度によりばらつきがありますが、10,000〜20,000円が目安となります。
続いて品質についてですが、仕上がりに関してはプロの作業ですので、やはりDIYよりもきれいな仕上がりが期待できます。また、リペアキットを使ったDIYでは修理できないような傷でも対応できる場合があるの点も大きな違いです。
DIYでの必要な費用は、市販のリペアキット購入費がメインとなります。金額は1,000〜4,000円ほどで、Amazonや楽天などのネット通販でも購入が可能です。
仕上がり品質については、補修液の品質や作業レベルにより異なりますが、習熟した方が手順通りに作業を行えばキズが目立たなくなるレベルまではリペア可能です。
ここまで読んでみて、「やはり難しそうだからプロに依頼しよう…」と思った方は、お近くのディーラーや専門店へ相談することをおすすめします。
一方、「やはりDIYでリペアしてみたい!」と思った方は、続いてのDIYする方法へと読み進めてください。
さて、ここからはフロントガラスのキズをリペアするために準備するものや手順について解説してきます。
具体的な商品をご覧頂いたほうがイメージしやすいと思いますので、今回はUFIXIT ガラスリペアキット(呉工業)をご紹介します。
画像出典:Amazon
この商品は、圧力を使って補修液を傷へ浸透させていくタイプです。YouTubeに作業手順が掲載されていますので、初めての方でも安心して作業が可能です。
ガラス温度が低い際に補修液の浸透を促すためにあると便利です。
補修液を硬化させる際に使用します。太陽光でも可能ですが短時間で終わらせたい場合にあると便利です。
市販キットとドライヤーはすぐに手に入るはずですが、UVライトは一般のご家庭にはなかなか常備されていないと思います。その場合は太陽光で代替してください。
続いては、DIY手順の説明です。ここでも、UFIXIT ガラスリペアキット(呉工業)の使い方を例にとって解説します。所要時間はすべての工程で約30分ほどです。
①傷周辺の汚れやガラス片を取り除く
補修液が浸透しやすくするために、補修箇所をきれいにします。
②傷の衝撃点が中央に来るようにポジションキットを固定する
補修作業を行う土台となりますので、衝撃点とポジションキットがずれないようにセットします。
③ポジションキットにレジンチャンバーを取り付ける
レジンチャンバーの先端がガラス表面に軽く当たるまで締め込んでいきます
④レジンチャンバーの奥へ補修液を数滴垂らす
補修箇所に補修液が行き渡るようにレジンチャンバーの奥へ垂らします。
⑤プレッシャードライバーを締め込み10〜15分放置する
圧力をかけて傷の細部まで補修液を浸透させていきます。ガラス裏面から見て補修液が傷へ浸透していることを確認してください。
⑥プレッシャードライバーを緩めて補修液のエア抜きをする
補修剤と一緒に入った空気を抜いていきます。
⑦エアが抜けて補修液が完全に浸透するまで、⑤〜⑥を数回繰り返す
エア抜き作業を繰り返すことでムラなく、補修液を浸透させていきます。
⑧プレッシャードライバー、ポジションキットを取り外す
補修液の浸透が確認できたらガラス面にセットした器具を全て取り外します。
⑨補修箇所表面に補修液を数滴垂らして透明フィルムを被せる
補修箇所にくぼみができないように表面にも補修液を塗布していきます。
⑩5〜15分間、太陽光またはUVライトを当てる
紫外線を当てて補修液を硬化させていきます。もしUVライトがあればそちらでも代用可能です。
⑪透明フィルムを剥がして余分な補修液を削る
ガラス表面を平らにするように、余分な補修液をカミソリで優しく除去していきます。
⑫作業完了
補修箇所の表面が平らになったら作業完了です。お疲れ様でした!
<参考動画>
補修剤として使われるレジンは紫外線に当たると硬化する特性を持っているので、補修液を硬化させる時以外は直射日光の当たらない場所で作業をしてください。また、補修剤が硬化した後のやり直しはできません。作業中にミスをして焦らないように動画などで作業内容を予習しておくことをおすすめします。
ここまでDIYの作業方法を解説してきましたが、作業に慣れていない方にとっては大変な作業だと感じられたのではないでしょうか。
DIYの方が安価ではありますが、仕上がりのばらつきや補修可能範囲の制約、そしてやり直しのきかない一発勝負であるリスクを伴います。一般の方にとってはDIYは安価で済むというメリットに対してデメリットの方が大きいリスキーな選択肢であるということが否めません。
これらの理由から、よほどDIYに自信のある方以外はプロにお願いするのが最良の選択肢ではないかと思います。
今回は素人でもフロントガラスリペアのDIYはできるのか、DIY方法やおすすめのリペア方法について解説してきました。
フロントガラスは自動車の中でも重要なパーツのひとつとされ、車検の際にも傷の有無はチェック対象となっています。飛び石などによって「フロントガラスにキズがついてしまって困っている」という方は、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、ご自身の状況に合った最適な選択をしていただけると幸いです。